指先で紡ぐ月影歌





言われれば否定できないこともある。


近藤さんのことが嫌いだとか憎いだとか。

別にそういう感情があったわけじゃない。

ただ譲れないことがあっただけ。


あの池田屋後の直訴以来小さな亀裂は消えぬままあったし、近藤さんにも思うところがあっただろうから。


切れと言われたなら、それはそれでいい。それもまた一興。

そのことが切っ掛けになって何かに気付いてくれるかもしれない。


そんな半ば開き直った形で迎えた謹慎六日目の頃だった。

畳の上で大の字になっていた俺に【つつしみ御免】の命が下ったのは。



─────つつしみ御免。


つまりは、これ以上のお咎め無し。