指先で紡ぐ月影歌





少しずつ深くなっていく俺と近藤さんの間にある見えない溝に、どうしたらいいのかと頭を悩ませていた頃だった。


とはいえ門限に遅れることは御法度。無断外泊なんてもってのほかだ。

例え副長助勤だからといって免れることはない。


伊東さんが来て以来流れている不穏な空気もそれを助長して。


腹を切れと言われてもおかしくはなかった。


それに何となく、俺だけが腹を切らされるような気がしてたんだ。


伊東さんのことは彼を自ら引き抜いてきた手前、近藤さんか重い罰を命じることはないだろう。

斎藤はあの人が許さない。


そうなると面目上、俺になるのではないかと。


それに、俺にならいくらだって理由をつけられる。

反抗的な態度だとか、隊の規律を乱してるとかな。