指先で紡ぐ月影歌





すぐにでもおマサちゃんのところに行って、本当にこいつでいいのか確かめたい気分だった。


そんなどうにも驚きを隠せない俺の隣で、目を瞑り深く深く眉間にしわを刻んでいた土方さん。

そして吐き出されたこれまた長い溜め息は印象深い。


その溜め息の原因は結婚云々よりも予測不可能な左之の突発的な行動に、だろうと思うけど。


この時ばかりはいつも小難しいことばかり考えているあの人の感情が俺にも読めた。

きっと間違っていないだろう。

こうもあからさまに表情を浮かべるのも珍しい。


左之のことは心から信頼しているし信用している。

しかしあの思いきりのよさだけは、良くも悪くも手に負えない。