指先で紡ぐ月影歌





池田屋の一件で名の上がった俺たち。

新撰組の名も、浸透してきた。


そこまでは、よかった。俺も嬉しかったんだ。

京に来た甲斐があったと。

無駄にあの人に絡んでみたりもした。


だけど、その頃から少しずつ近藤さんの我儘な振る舞いが目立つようになって。

しまいには俺らを部下だと言い出すようになって。


そんな態度が気に入らなくて、会津公に直談判した。

所謂【非行五ヵ条】というやつである。


俺の他にも左之や島田なんかが名乗りを上げた。


確かに芹沢さんのいない今、この隊の上に立っているのは近藤さん一人だけ。

だけどそこにはたくさんの支えがある。


とりわけあの人は、影の部分を一手に担ってる。