指先で紡ぐ月影歌





魁先生なんて呼ばれてるだけあって、先頭きって突っ込んでいったのは平助。


若さ故、ってやつだろうか。

決断力の早さは流石だと思う。


だけど、強さは俺の方が上だ。

そんな自信も相まって、俺も負けじと刀を振るう。


そんななか、やたらでかい階段を上がった先から聞こえてきた大きな物音。

そのすぐ後には"総司!"と声を張り上げて叫ぶ近藤さんの声が響いた。


焦ったようなその声色に、嫌な予感が頭を掠める。


平助も同じだったのか、一瞬戸惑ったようにその瞳が揺れた。


まさか、ここで総司が倒れるなんて誰が想像しただろうか。


駆け付けてやりたかったが、如何せん多勢に無勢。

俺らもなかなか前に進めない。