指先で紡ぐ月影歌





まさか俺たちのところが当たりだったとは。


使うとしても四国屋だろうと思っていたから、俺も驚いた。

本当に運が良いんだか悪いんだか。


総司の体調が思わしくないから戦闘は避けたいと思っていたのに。



とにかくこの日のことは"池田屋"の名前とともに一生忘れないと思う。

勿論、この日のために土方さんが古高の拷問なんて嫌な役を引き受けたことも忘れちゃいない。


釘と蝋燭を持って廊下を歩くあの人の姿は俺から見ても怖いと思うほどだった。

きっとその辺の隊士はもっと怖かっただろう。


まぁ、その後に古高が吐いた言葉はもっと怖かったわけだが。


なんだ、京の街に火をつけるって。大災害じゃねぇか。