指先で紡ぐ月影歌





そしてあの瞳を向けられた理由を考える。


俺と向き合わなくても話は進んだだろう。

それが原因で俺が輪から離れることはないとわかっていただろう。


それでもこの人は俺の前に立った。


その理由は、左之が浮かべた表情と同じだったんじゃないだろうか。



決して簡単な決断じゃない。

それでもやらなくては。


あの人には、俺には仲間と夢を守る使命がある。


だって京へ来ることを勧めたのは俺で。

この人たちと夢を追うことを選んで俺はここに来たのだから。


あの瞳に、京に来た意味を改めて理解させられた。


それと同時に、俺はこの人に信頼されているのだと心の奥で酷く安心したのを覚えている。