指先で紡ぐ月影歌





加えて芹沢さんの近藤さんたちに対する態度や京での行動には目に余るものがあった。

周りに被害が出ていたのも知っている。


特に吉田屋の件は酷かった。

珍しく山南さんが土方さんみたいな顔をして怒っていたっけ。


俺たちは京の人たちを敵に回すことは出来るだけ避けなくてはいけない。

そういう立場であり、また異端の存在なのだ。


俺らがするべきなのは傷付けることではなく守ること。

それが壬生浪士組というもの。



このまま芹沢さんたちの行動を黙認していれば、いつか必ず亀裂が入る。


わかっていたことだが、いざそれを目の前にすると状況を上手く飲み込めない俺がいて。