指先で紡ぐ月影歌





そして同時に沸き上がる歓喜。


正式に名前を貰ったということは、名実共に会津藩のお預かりになったということ。

それを名乗る資格がある。


もう、ただの壬生浪士組ではないということ。


認められた。俺たちの存在が。

それがたまらなく嬉しくて。

体の熱が上がっていく。


周りを見れば誰一人大きな声を上げるものはいない。


けれど、その表情は喜びに満ちていた。

それぞれがこの現実を噛み締めているんだ。



土方さんの唇が、その名を紡ぐ。



【新撰組】



それが、俺たちの新しい居場所の名前。