眠りに落ちながら、あたしは心の中で繰り返し考えていた。


あたしは何が悲しかったか?


お母さんに誤解されたこと?

自分の図々しさ加減に気づいたこと?

もう山上の家に行けないこと?

好きの一言さえ伝えらない自分の不甲斐なさ?


巡っても巡っても、答えは一つになんて定まらない。


一事が万事。

その根っこは同じなんだ。


山上が好きだ。


そう思うとまた涙が込み上げてきた。

重症だ。

全く。

こんなことなら、当たって砕けてれば良かったな。

はっきりと振られれば諦めもつくというものだ。

馬鹿だな。

それも怖いなんて。


眠い。


そうだ、霧子の言うように、あたしには今、まともな判断力が欠如している。


寝るんだ、咲。

何も考えず、眠るんだ……