もう、引きずるのはやめた。ずっと引きずってたって何も変わらないよね。
そんなの分かってる。

ごめんね。志帆、昴。
二人はあたしのせいで別れることになったんだよね。

【私、好きな人いるよ!】
ウッソ~ 好きな人なんて初めてじゃない?
「ねぇ薙捺、好きな人って誰?」
「内緒」
「なんでよ!昴?琉哉?篤志?樹揮?」
「違う」
この子は親友の高橋薙捺(タカハシチナツ)、男子にも女子にも好評で、すんごくモテる。
そして、あたしと琉哉が別れる時、琉哉が好きだった人。

「教えてよ!!」
「昴様です…」
「よく言った。」
やっぱり昴はモテるんだな。

「ちーちゃんね、昴のことが好きなんだって」
こう告げた日から、昴の気持ちが揺れ始めた。


「俺さ、正直迷ってる」
「え…」
「でも昴は志帆と…」
「そんなことは分かってる」
「あたしはどっちも正解だと思うよ」
「ありがとう」
「決まったら…教えてね」
「うん、お前は?」
「篤志と付き合うよ」
「マジで?」
「うん」
「ビックニュースじゃん」
「誰にも言わないで?」
「なんで」
「お願い」
「チェ!! つまんねー」