篤志…… 昨日の言葉本当なの?

篤志…… 君はあたし達のことよく分かってると思ってた。

それってあたしの思い込みだったの?

ねぇ、違うって言ってよ。

今すぐにでもその口から「違う」っていう言葉が欲しいの。

琉哉は何も知らずに話しかけてくるけど篤志の目が。篤志のことが気になっちゃって笑えないの。

ごめんね。 バカだね、あたし。

今の気持ちを素直に話せばいいだけなのに。

ねぇ琉哉、君は今どんな気持ちで話しかけてるの?

ねぇ篤志、君は今どんな気持ちであたし達を見てるの?

ごめんね、やっぱりあたしバカだからどう考えても答えが見つからないや。

気持ちがわからないや。二人は今のあたしの気持ちがわかる?

昴は自分の気持ちをしっかり伝えて今は寿葵じゃない他の子と付き合ってる。

その子の名前は櫻井志帆(サクライシホ)、修学旅行とかの班で一緒になった子。

だから昴、志帆、琉哉。三人には昨日のこと教えたい。

【志帆、昴へ 凄く言いづらいことですが、昨日篤志に付き合ってくれますか?って言われました。どうしよぅ】

【琉哉には言ったの? 言ってないなら言ってあげようか? 志帆】

【うん、お願い!! 麗】

【お前、モテるな。篤志にしても琉哉にしてもどっちか選ばないと 昴より】

【分かってるけど… もう最悪だよ~ 麗】

【とりあえずまた後で】

―給食―
「琉哉、志帆から聞いた?」
「聞いた。もう篤志が好きって言ってるんだから篤志にしなよ」
「え~ なんで?」
「篤志にしてあげないと可哀想じゃん」
「それで琉哉はいいの?」
「俺はいい」

ひどい、なんでそんなこと言うの?
やっぱり好きな人がいるからそっちのがいいって? チャンスが来た!!って?
あたしは琉哉がいい。別れるなんて嫌だよ。

「もう一回聞くけど本当にそれでいいの?」
「だからいいっつってんじゃん!!」
「あのね、今付き合ってるのは琉哉だから篤志がどうだろうと琉哉が別れるの嫌ならずっと一緒にいたいの。 それでも篤志にしろって言うの?」
「結局何が言いたいの?」
「もう!!なんで分かってくんないの?」
あたし… 今ので自分の気持ちを精一杯に伝えたつもりだったのに琉哉には届かなかったかな? 全然ダメだったかな?

あたしはあたしなりに頑張った。けど……
琉哉はあたしと別れる寸前にいるのに何とも思わないのかな?

琉哉がそれでいいっていうならやっぱり琉哉は諦めて別れたほうがいいのかな?

「志帆、琉哉に篤志にすれば?って言われちゃった」
「ん~ 麗ちゃんはそれでいいの?」
「あたしは嫌だったけど琉哉がそう言うなら仕方ない。」
「そっか」
でもあれは本当に悲しかった。 琉哉はどうして笑えるんだろう?
思い出すだけで涙がこぼれ落ちてくる。
「なんで泣いてんの?」
「なんでもない。」
「いや、泣いてるんだからなんでもない訳ないでしょ」
「うん、そうだよ」
「奨と志帆はわかるよね」
「……」
「もしかして琉ちゃんにフラれた?」
「うん…」
「まぁでも今まで琉ちゃんは付き合っててくれたんだし好きになってくれたんだから感謝しなよ」
「そうだね、泣いてたって何も変わんないし。周りから見れば現実見ろって感じだよね 」
「泣くほど好きだったの?」
「別れた後はこんなもんだよ」

【昴、琉哉と別れた】
【なんで?】
【琉哉が篤志にすればいいじゃんって】
【ふぅーん】
【だからこれからはずっと昴の応援するね!!あたしも何かあったらよろしくね】
【分かった】


もう誰も信用できない。どうしてみんな、あたしばっかり悲しませたがるの。
あたし、何も悪いことしてないじゃん。
何か恨みでもあんの?
そりゃあたしはバカだから、何も分かんないから、気付かないうちに何かしてたのかもしれない。

あ~文句をぶつけてやりたい。こんなのひどすぎる……
不平等すぎる……
自分だけいいっていう考えはダメなんじゃなかったっけ?
周りのことも考えて行動しないといけないんじゃなかったっけ?
ねぇ、さっきの授業で先生に言われたばっかじゃん。

もうヤダ……