最近、カップル増えたな…
1学年だけで4組もいる。多いのか少ないのかイマイチよく分かんないケド…

「麗、明日別れない?」
えっ? 意味分かんない。
「どういうこと?」
「麗お母さんに言ってねーんだからバレたらヤバイだろ」
そういうことか、あたしの勘違いにも程があるな… ヤバイヤバイ。
「いいよ、二人には言ってあるの?」
「もう了解もらった」
「そうなんだ」


―夏祭り―
「あ…」
「もう麗遅い!!」
「ごめ~ん」
今日のあたしは黒地に薄ピンクの花がかいてある浴衣を着ている。
それにまぶたには薄く紫色のアイシャドー、唇にはグロスをぬり、上のほうで団子縛りに髪をまとめている。
少し大人になったような気分でなんだか嬉しかった。
琉哉、なんて思うかな。
「麗可愛いじゃん」
「マジぃ~ ありがと~」
「そういえばほとんどのカップルが別れたの知ってる?」
「そうなの?」
「うん、樹莉愛と陸斗のところとか志帆と雄介のところも別れて今は2つだけみたい」
「へぇ」
まあ、仕方ないだろ。付き合うっていっても特になにをするわけでもないんだから。

カップル達が恐れているのはこういうのか…
あたしだったら別れてって言われても素直に受け入れるかも知れない。

ねぇ琉哉、琉哉は今どんな気持ち?
あたしはなんだかポカポカしてる。ポカポカしてる暇なんかないのに。
ポカポカしてるのは今琉哉といるからかな。そうだとしたら嬉しい。