俺は家を出た。
後20分…まぁ、間に合うでしょう。
今日は20歳の誕生日。
だが、そんな個人的年間行事に構っている暇など無い。
今日までに90回も面接の段階で落とされて来たんだ…就職もアルバイトも。
今日の91回目の面接で…採用かっこ収入源とじかっこを得てやる!
いい加減、母の仕送りだけの生活からオサラバしなければ。
俺は青信号を確認し、横断歩道を渡る。
…周りが薄暗くなった。
左を見る。
視界の左から…トラックが入ってくる…。
トラックが俺を…。

「ドン!」

俺は身構えた。
大きな音が。
何かがぶつかる音。
俺は…目を開けてトラックの方を見る。
…トラックの前が凹んでいる。
その凹みには、誰かがいる。
黒いマント、全身黄色い服、そして黄色いヘルメットを被っている少し大柄な男性…?

「大丈夫か?」

男性は振り向いて俺を見る。
ヘルメットは口元以外の顔を隠し、目と鼻の部分は黒いガラスのようなものが着いていた。
変質者に見えた。