その日から桃杏は毎日マウスピースを練習している。
その成果もあって、
♪ブーブーブーブー…
マウスピースだけで音階が出来るようになった。
「今日から夏休みになった訳だし、トランペットを吹いてみよう、かな」
桃杏はトランペットを吹きたくて仕方がなかったが、母親の形見と言うだけあって今まで抵抗があった。
夏休みの始まりと理由付けをしないと触る勇気が出なかったのである。
「たしか、物置にしまってあったはず」
桃杏は物置の扉を開け埃っぽい中へ入って行った。
そして…
「あれ、こんな可愛いうさぎのぬいぐるみなんてあったっけ?」
何かに導かれるように見つけたものに触れた。
