「なるほど。…なぁナナ」
「なぁにリク?」
ナナは先程の真剣な話の声とは打って変わり、猫なで声をだした。
「異世界の桃杏がメロランドに来たんだ。俺はせっかくだからこの国のシンボルの楽器を見せてまわろうと思う。」
「ふぅん」
「それでクローバーの国のトロンボーンを見せたいんだが…」
「だめよ」
やっぱりな、とリクは思った。
ナナは国のシンボルであるトロンボーンをとても大切にしている。
いきなり現れた異世界の人間に簡単に見せるはずがないことは予想できた。
だが、リクはそんなことでは諦めない。
「そうか、ナナがそんなけちだったなんてな、残念だ」
「な…!」
ナナはリクに嫌われるのが何よりも嫌である。
「桃杏、クローバーの国のシンボルは諦めよう」
「え?」
リクはそう言うと驚く桃杏を促し、入って来た窓から出ようとする。
それを見たナナは、リクに帰ってほしくない。
「ま、待ってリク!」
「なんだよ?」
「トロンボーン持って来るからっ、まだ帰らないでっ!」
「わかった」
リクは計画通りになり、ナナには見えないようににやりと笑う。
それを見た桃杏は、性格悪い。と思ったとか…。
