桃杏はリクに乗ろうと決めたものの、手をかけたまま動けないでいた。
「……おい、早く乗れよ」
「ご、ごめん…っ」
しびれを切らしたのか、リクの声はいつもより低い気がしないでもない。
――……乗るって言ったって、私重たいし恥ずかしいよ…。
桃杏がためらう理由はこうだった。
「たく……しょっと」
「うわっ!!り、リク?!」
「なんだよ」
「いきなりおんぶしないでよ!」
「いや、さっきから乗れって言ってたし、早く乗らないお前が悪い」
「そうだけどー…重いのにごめん」
「別に重くない。むしろ軽すぎだろ」
「嘘はいいから!」
「嘘じゃないけど…ほら、中入れよ」
「あ、ありがとう」
リクのおんぶのおかげで身長が高くなった桃杏は、簡単に窓から入ることができた。
