――――………
―――……


リクの後ろに着いてしばらく歩くと、桃杏の視界にとても大きな建物が見えてきた。

その建物は、窓以外のありとあらゆる壁一面にツタが這っていて、周りには様々な種類の植物が生えていた。



「うわ…」


思わず足を止めた桃杏。

遠くから見ても存在感のあるそれを凝視する。


「リク、あれ凄い…」


「あれって?…あぁ、あれはクローバーの城だよ」


「えぇ?!あのツタまみれのが?!」


「お前、それクローバーの国の人の前で言ってたら、ただじゃすまなかったぞ…」


「あ、そうか、ごめんなさい」


「別に俺に謝らなくても」



リクは桃杏が驚いたり、落ち込んだりするのを見て、面白いと思った。