「…きろ、起きろ!」


「ぅんー…」


ぺちぺち、桃杏はまた頬を叩かれて起きた。


でも、叩いた手がさっきより大きい気がした。


「…もぅリク、わかったから起きるからそんなに叩かないでー……あれ?」


桃杏は叩く手を退けようとその手を握った、がその手はうさぎの手ではなく、人間の、それも桃杏より大きな手だったのである。


その手を見た桃杏は驚いた。

がしかし、


「やっと起きたか、もう夜だぞ」


「…………!?」


その声の本人を見た瞬間、もっと驚いた。


「……え、あの、」


驚きでか、口が上手く回っていない。


「だ、誰ですか?」


「…は?」



――――………
―――……