「だから、クローバーの城に侵入出来ないんだよなぁー…」


「困った…」とリクは頭を抱えた。


桃杏には頭を抱えるうさぎのリクが可愛らしく思えた。



「そうだよねー、お城に忍び込むなんて。ましてや夜になったら、リクは人間になっちゃうんだから」


「……!!それだ」


どうやら、桃杏の言葉がヒントとなったようだ。



「あぁ、俺は馬鹿か。なんで気づかなかったんだ」



リクが1人で納得している。


桃杏は、リクがどう解決したのか教えてほしいものだ。


耐えきれなくなった桃杏が訊くとリクは、


「夜になったら俺は人間に戻れる。だから、人間の俺を知ってる城の奴に、中に入れて貰えばいいんだ」


「上手くいく?」


桃杏は不安だった。
お城に入れてもらうだなんて、上手くいくだろうか。



「大丈夫だ。よし、まだ夜まで時間はあるし、体力回復の為に昼寝をしよう!」



何故昼寝、と桃杏は疑問に思ったが、


「すーすー」


隣で眠るリクを見ていると、いつの間にか自分も眠ってしまっていた。