頭が真っ白になるってこういうことなんだってわかった。

本当に頭も、目の前も真っ白になった。


「へ、おめでと」


情けない言葉が零れ落ちるだけだった。

一方彼女にはそれは伝わっていない様子で、ご機嫌な様子だった。


「ありがとー」


その後は、相手の話を彼女聞いていたのだけれど、内容は覚えていない。

幸せそうな彼女のその声だけが、通話が終わったあとも耳に張り付いて離れなかった。

彼女とはそれ以来通話をしなくなった。