短編集



「いや、趣味とかからして男かなって勝手に思ってたの僕だし」


確かに、向こうは一度も男だとか女だとかっていう話はしなかった。

それに、僕も別にそんなこと気にしてなかった。

趣味が合う友達なら、男でも女でも、嬉しいものだから。


「ありがとう。
改めまして、あるみにうむです。」


「あ、矢島です。」


自己紹介をされたものだから、僕も自己紹介をした。

そしたら、ふふ、と小さく笑う声が聞こえた。

よく笑う子だ、と思った。