短編集



「どうもー」


僕はびっくりした。

何にかって言うと、声に。

正確には、声の高さに。


「あれ、女の子...?」


その声は確かに女の子だった。


「え、あれ、言ってなかったね」


画面の向こうで、ふふ、と笑った。

でもそのあとすぐに、


「あ、いや、ごめんなさい...
ちゃんと言わなきゃいけなかったよね」


そんな声が聞こえてきた。