暗い夜道でも、あたしたちは明るかった。
長澤くんが会話を盛り上げてくれて、楽しく帰れた。
久し振りにいっぱい笑った気もした。
「じゃあ、ここで。送ってくれて、ありがとう」
あたしが向きを変えたら、「松崎さん!」と、呼び止められた。
あたしが振り返ると、長澤くんは顔を真っ赤にしていた。
あたしが長澤くんの目の前まで行くと、長澤くんは手をぎゅっと握りしめて言った。
「俺、松崎さんが好きなんだっ!」
え…。
心臓の音が、はっきり聞こえた。
「あ…」
「返事は後でいいから!じゃ、また明日!」
長澤くんは走って帰っていってしまった。
やばい。
どうしよう。
これが彩華に知られたら、あたしは…!
