沙羅と別れて利希くんとの帰り道。
「よかったな、仲直りできて」
「うん!」
あたしは満面な笑みで頷いた。
「俺も麻耶が笑顔になって、嬉しいよ」
なんて、利希くんはあたしに嬉しい言葉ばっかくれるね。
ありがとう、利希くん。
「ん」
「え?」
利希くんはあたしに手を差し出してきた。
なにがなんだかわからないあたしに、利希くんはため息をついて言った。
「手!繋ごうってこと!」
「へっ!」
利希くんと、手を!?
恥ずかしすぎる!
いいの、かな…?
あたしは遠慮気味に利希くんの手にあたしの手を乗せる。
すると、利希くんがあたしの手をぎゅっと握った。
恥ずかしいけど、嬉しいな。
あたしたちは、手を繋ぎながら帰って行った。