あたしは沙羅を引き止めた。


あたしは、沙羅の方を向く。


沙羅は俯いて、震えていた。


「あたし、沙羅のことすごく憎んだよ。なんであたしがこんなことされなきゃならないの?あたしがなにをしたの?って…」


あたしも声が震えてくる。


スカートをぎゅっと掴んだ。


「でもあたし、もう沙羅のこと怒ってない」


そう言うと、沙羅が一気にあたしの方を向いた。


沙羅の顔は、涙でぐちゃぐちゃになっていた。


「なんで…?あたし、あんなひどいこと麻耶にしたんだよ…?こんな簡単に、許せるの…?」



「だから!あたしもう怒ってないの。これからは、沙羅と仲良くしたいし」


あたしは、ニコッと笑ってみせた。


沙羅の目から、また涙が溢れる。