「離してっ!!」


あたしはやっと、利希くんの手を振り払うことができた。


利希くんがあたしをじっと見つめた。


「なに?ここまで連れてきたってことはなんか話があるんでしょ?」


利希くんは黙ったままだった。


そのとき、チャイムが鳴った。


「あぁ、もうチャイム鳴っちゃったじゃん…。あたし、もう教室に帰るから。それと、もう絶対あたしに関わらないで」


あたしが屋上のドアの方に向きを変えると、利希くんがあたしの手首を掴んで、利希くんの方に向かせた。


ドキン。


「ちょっと…やめてよ…」


いつものように、強く言えない。


「こんなに好きなのに、ほっとくなんてできるわけないだろ!!」


利希くんがそうあたしに叫んだ。


え…?


利希くんがあたしを好き…?