利希くんは悲しそうに顔を歪ませてあたしに問う。
「俺に話しかけられんの、嫌なの?」
そんな顔しないでよ。
あたし、期待しちゃうんだから。
だから、やめて。
「そう…いやなの…」
あたしは震える声で、でもしっかり言った。
「前から思ってたんだよね。無視されてんのにずっと話しかけてきてさ…!」
止まって、あたしの口…!
コントロールが聞かない…。
あたしの口からどんどん最低な言葉が出てくる。
「無視されんのわかってるでしょ?はっきり言って、迷惑なの」
こんなこと、言いたいんじゃない…!
「最後に言う…」
利希くんは顔を上げて、言った。
「俺のことが嫌いか…?」
「そんな期待持たない方がいいと思うよ」
あたしは利希くんを睨みながら言った。
「あんたなんて、好きじゃない…」
「嫌い」
