でも、あたしは…。


あたしは利希くんの横を通り抜けた。


「え…?」


利希くんの声。


あたしは利希くんを無視した。


まるで、利希くんがいないかのように。


これを毎日続けてれば、必ず嫌いになるはず。


だからあたしは、無視をすることに決めたんだ。



「え、ちょっ、麻耶?」


「彩華!あのさ、今日って~」


お願い、彩華。


なにも聞かないで。


そっとしておいて。
























次の日も次の日も利希くんはあたしに話しかけてきた。


そのたびにあたしは無視を続けた。


お願い。


もう話しかけないで。


やめて…!