ついに夏休みが明けた。
彩華と沙羅とあたしで登校する。
いつもの他愛のない話で盛り上がる。
でも、あたしだけちょっとテンションが低くて…。
「ちょっと麻耶。いつもと違くない?大丈夫?」
「全然大丈夫!」
彩華が心配してくれたけど、このことを話すわけにはいかない。
沙羅の好きな人で、悩んでるなんて…。
でも、あたしは今日から利希くんに嫌われる。
そしてあたしも、利希くんのことを嫌いになる。
これでいいんだ…。
学校に着いて教室に行ってドアを開ける。
用意を終えてからトイレに行った。
トイレから出てくると、教室の前で利希くんがいた。
ドキン。
「あっ、麻耶!」
利希くんがあたしに気づいて、声をかける。
