愛をください。




「きゃあっ!」


バランスを崩して、転びそうになる。


「麻耶っ!」


怖くて、目をぎゅっと瞑った。


ドサッ。


「いったぁ~」


目を開けると…。


あたしの目の前には、利希くんの顔とその向こうには、ちょっと赤みがかかった空。


つまり、利希くんはあたしに馬乗りになっている。


「へっ…!」


「ねぇ、麻耶…」


「は、はいっ」


心臓がうるさいくらいにドキドキいってる。


「ドキドキ、する?」


ドキン。


この前も聞かれたこの質問。


あたしは前と同じように答えた。


「なんか…心臓がうるさいくらいなってて…ちょっと、苦しいのっ…」


バッと、利希くんが目を逸らした。


「顔赤くて、涙目って…誘ってんの?」

「え…?」


誘ってる…?



「なんでもない。あとその顔、誰にも見せんなよ」


そう言って、あたしを立たせてくれた。

「あたし、どんな顔してたんだろ…」


でも、あんなことになって、あんなこと言われたら…。


失神しそうになる、ハプニングでした…。