彩華はあたしたちのところに来て、椅子に座った。
「ダメだった!」
笑顔で言う彩華に、あたしはどうしたらいいかわからなかった。
「なんか、好きな人いるらしいの。あはは、そんなの知らずに想ってたあたしって、バカみたいだよね…」
だんだん涙目になって、ついにはこぼれてしまった彩華の涙。
「そんなことないっ!」
「彩華は頑張ったよ!」
「みんな、ありがとう…!」
そして、放課後。
利希くんが迎えに来てくれて、そのまま帰り道を歩く。
「ねぇ…利希くんは好きな人とかいるの?」
「え…?なに、急に」
「や、ちょっと…気になって」
沈黙になる。
「あ、答えたくなかったらいいの!別にっ…「いるよ」」
