あたしは教室を出て、利希と人気のない場所に来た。


「良かったな、元通りになれて」


「うん!大島くんのおかげだよ!本当にありがとう」


「別に、当然のこと。また、困ったことがあったら言って」


「えっ、でも……」

「遠慮すんなって!」


そう言って、あたしの頭をガシガシと撫でた。


ドキッ!


えっ、なにこれ。


心臓が、落ち着かない。


「いっ、痛いよ!」

あたしはこのドキドキを隠すため、言った。


「あはは!」


この笑顔にも、ドキドキする。


どうしたんだろ、あたし。


「ありがと、大島くん」


「利希、でいいよ」


「えっ…?」


「てか、利希って呼んで?」


覗き込むように言われて、心臓が跳ねる。


「じゃあね」


去っていったお…、利希くんを見つめる。


この気持ち、なんだろ…?