あたしと…そうか、名前を聞いてなかった。
「ねぇ、名前は?」
「大島利希」
大島…利希。
大島くんで、いいか。
「あんたは?」
「松崎麻耶」
「そう、麻耶」
へっ!?
いきなり呼び捨て!?
慣れてないからかもしれないけど、ドキッとした。
あたしは落ち着いて大島くんに話しかけた。
「ねぇ、これからどこ行くの?」
「お前の教室。何組?」
「三組だけど…。なんで?」
「お前へのいじめを止めにいく」
ニヤリとあたしに笑いかける大島くん。
「えっ…!」
あたしを、助けてくれるの…?
「なに不思議そいな顔してんだよ?助けるって言っただろ。あ、いっとくけど俺この学校の有名人だから。『イケメン』って」
自分で言う?
まぁ、顔がいいのは本当だけど。
