あたしは勢いよく振り返る。
そこには、一人の男子がいた。
「誰…?」
「今から死ぬ人に名乗っても、無意味じゃない?」
「あ、そ…」
くるりと向き直って、また力を入れる。
「まさか、自殺の原因っていじめ?」
!!
「あたり?」
ニヤリと笑ってる。
「関係ないでしょっ!」
あたしは前を向いたまま、叫んだ。
名前も知らない人になんの関係があるの!?
なんも関係ない!
グイッと手を引っ張られ、フェンスの手前にあたしは落ちた。
「何すんの!?今から死のうとしてんのに、邪魔しないで!!」
あたしは叫んだ。
「死のうとしてんのに、なんで泣いてんの?」
え…?
本当だ、あたし泣いてる…。
