人気のないところに連れて行かれて、しばらくしたら彩華が口を開いた。
「昨日、一緒に帰ったんだ?」
「え…?」
「昨日長澤くんと一緒に帰ったんだ?」
彩華は少しあたしを睨みつけていた。
「見て…たの?」
彩華は静かにコクンと頷いた。
「昨日、買い物帰りに長澤くんと帰ってる麻耶を見つけて…。あれって、あたしが長澤くんのこと好きなの知ってて、わざとやったの?」
「違う!誘われてっ…!」
こんなこと言ったら、告白されたのもバレそう!
「誘われて…?」
冷や汗が伝う。
もう、全部言ってしまったほうがいいのか。
でも、言ったら…。
あたしは自分の手を握りしめた。
「違うの、彩華!ただ、長澤くんは夜で危ないから送ってくれただけでっ…!」
パンッ!
