あのあと、梨華ちゃんと別れて利希くんのところに走っていった。
「ごめんね、利希くんっ…」
ちょっと息が切れめのあたしに、利希くんは優しく笑って大丈夫、と言った。
そういえば…。
帰り道を歩いている途中、あることにあたしは気づいた。
あたし、利希くんに好きって言ったことあるっけ…?
記憶にないんだけど…。
利希くんからは、何回か言われてる気がするけど…。
あたしからは、一回も言ってない…。
すると、あたしの考えが届いたのか。
利希くんが優しい笑顔で、「麻耶から好きって言ってほしい」
と言った。
「っ…!!」
やっぱり、言ってないよね…!
