鬼神の鬼気に曝されながら、怒鳴られてはたまらない。
縮み上がりながらわけもわからず謝った深雪は、固く目を閉じた。
だが黒曜は、そんな彼女に容赦なく呪を浴びせる。
『俺の目を見ろ、深雪』
意思とは関係なく瞼が上がる。
夜の瞳が徐々に広がり、深雪の視界を埋め尽くす。
(え…
ナニ? コレ…)
身体が支配される。
思考が奪われる。
『コレを着ろ』
差し出された黒いジャケットを受け取り、羽織る。
『いいか、景時は無事だった
おまえは俺たちとは会ってない
金はポケットにある
とっとと帰って寝てしまえ
ケガの手当てを忘れるな』
フラリと立ち上がり、廃洋館の一室を後にする…



