鏡が深雪を操ってうさぎに送ったのは『神殺し』という特殊な呪で、鏡を壊したところで呪いは解けない。
その上、白蛇(ハクジャ)の助けによりうさぎの解呪はすでに終わっているのだが、景時はその事実をまだ知らない。
セオリー通り、術者である鏡を壊すことで呪が無効化され、うさぎが助かると信じている。
もう夜が訪れた。
あれから、どれくらい経った?
もううさぎは…
俺のせいで…
俺は‥‥‥
いや、生きてる。
だから早く。
はやく…
はや… く…?
景時は軽い目眩を感じながら、手の中のバジュラを確認した。
どうやら、得物も一緒に飲み込んでくれたらしい。
室内に素早く視線を走らせると、さっき砕けて切りつけてきた他の鏡は見当たらない。
こいつはラッキー☆
ジャマされることなく、コッチ側から斬鬼刀で鏡を破壊できる。