赤い月 終


小さくなって固まるうさぎを見て、秋時は目元を和ませた。


「あのさー。
確かに景時は、俺のカワイイ孫だよ。
でもうさちゃんだって、もうウチのコだろ?
景時も、薫も、うさちゃんも、俺の大事な家族なンだよ。」


テーブル越しに手を伸ばし、うさぎの頭を優しく撫でる。

景時によく似た、柔らかい微笑みを見せて。


「だからなんでも言いなさい。
どーにもならないようなコトでも、一緒に悩んで、一緒に苦しもう。
一人で抱え込んじゃダメだ。」


うん。
イイコト言った。

さすが還暦の貫禄。

でも…
『俺たちは家族だ!』みたいなのって…

ハズい。
聞いてるダケで、ハズ死にしそう。

よくそんなコト、サラっと言えるね。

さすが還暦の貫禄。

景時と薫は、居心地悪そうに秋時から視線を逸らした。

すると、うさぎが視界に入る。

彼女もまた、気恥ずかしそうに俯いていた。