赤い月 終


青い炎に包まれた月夜は、今際の際に己を取り戻しました。


─お許し下さい、お許し下さい
 母上様。

 私の心が醜く穢れていたばか
 りに、このような…


─何を言う。
 そなたは穢れてなどいない。

 月夜、月夜。
 愛しい月夜。

 そなたは清く美しい、妾の自
 慢の娘ではないか。


─あぁ、お優しい、お優しい、
 母上様。

 このような浅ましい姿に成り
 果てて尚、娘と呼んで下さる
 なんて…

 やはり私は、この世の誰より
 も幸せ者でございます…


醜い赤光のまま、今までで一番美しい微笑みを見せた月夜は、鬼の腕の中で儚く塵となりました。