「おまえ、『月夜』のコト知ってる?」
グラスに酒を注ぎながら、黒曜が何気なく問う。
おおぅ。
いきなりキタよ。
前置きもなく、本題だよ。
生唾を飲み込んだ景時は、首を軽く左右に振った。
「月夜は、紅玉の娘だ。」
…
…
…
ナンテ?
いやいやいや…
ナンテ?
やっぱ、前置きもらっときゃ良かった。
いきなりすぎて、ついてけねぇよ。
娘? 娘デスカ?
名前聞いた時、確かに『あれ?』って思ったよ?
女のコっポイなーって思ったよ?
『くよ』も『そなた』も完全に恋敵認定してたから、変だなーって思ったよ?
でも、まさかの娘?
想定外にもほどがあンだろ。
娘がいるってコトは、娘のオトーサンがいるってコトで。
ソレってつまり、うさぎは人妻ってコト…



