「え?
なんで??」


「秋時は…
妾を恐れ、警戒しておるだろう。」


あー…

気にしてるンだ。
台風起こしたコト。

バカだなぁ…

景時は、少し気まずそうに視線を落としたうさぎを抱きしめて、銀の髪を指で梳いた。


「だーいじょーぶ。
警戒なんて、してないよ。」


「だが…」


「明日、会えばわかるって。」


キラキラ光る、ひんやりした髪。

絡まることなく指をすり抜ける、美しい髪。

うっとりするような手触りが、睡魔を運んでくる。

今夜はもう眠ろう。

うさぎを抱いたまま。

もうどこにも行かないように、しっかり抱いたまま。

景時は夢見るように微笑んだ。