(ぅ熱っっっ?!)


まじ熱いって?!

全力で前言撤回!
イヤなカンジっつーか、焦げるから?!

熱い塊が、吐き気と共に上ってくる。

胸が焼ける。
喉が焼ける。


「カ… カハっっ!!」


耐えきれず、景時は上ってきたナニカを朽ちかけた床に吐き出した。

四つん這いで口元を拭いながら、自分の中から出た異物に目をやる。

光る… 球体?

光はどんどん大きくなり、人型に形成されていく。


(どーしよ、うさちゃん…
幻覚が酷くなってる…)


なんなの?

俺、もうとっくに狂ってンの?

うさぎを助けられないまま?

ソレはイヤだ。
絶対ダメだ。

頑張れ、俺!
正気を保て!

両手を合わせて指を交互に組み、目を固く閉じて…


「消えろ消えろ消えろ…」


「アノ鏡ヲ割レバ、オマエノ望ミハ 叶ウノカ?」


「‥‥‥ハイ?」


幻聴…じゃない?
今、フツーに聞こえたよ?

恐る恐る、片目だけ開けてみる。