「好きなんだ……」
そっと近づく顔。
やだっ……!
誰か……桐谷君っ!
ギュッと目を瞑った瞬間、
「梅ちゃん?くりっち?」
「……良輔君っ」
弾みで緩んだ腕をすり抜けて良輔君の方に行く。
「どうしたの?」
「……何でもないよ。」
栗原君が冷静に答える。
「嘘だよ。だって梅ちゃん、こんなに震えてるんだもん。何してたの?」
確かに……
わたし、こんなに震えてたんだ。
それよりも、良輔君の有無を言わせない目が、怖い。
「…梅ちゃん、ごめん。さっきの本当だから。考えておいて。」
去っていく栗原君。
「大丈夫だった?」
「うん!」
にしてもわたし、抱き締められただけであんな困惑して、経験がなさすぎるな。
……あ、そういえば。

