――わたしはあまり人が来ない、旧校舎の階段で涙を拭っていた。
あと少しで授業、始まっちゃう。
莉奈に待っててって言ったのに、教室に戻らないなんて……
ごめん莉奈。
ふと、手でしっかりと持っていたお弁当を見る。
『俺いるなんて一言も言ってねえし』
『勝手な自己満足に過ぎねえじゃん』
さっき言われた言葉が、頭に響く。
「………っふ、ぇー……」
悲しいんじゃない。
ひどいことを言われたからじゃない。
でも、涙が止まらないんだ。
「……ばっかじゃねえの?そんなことで泣くなよ。」
頭上から聞こえたのは、わたしの大好きな声。
「……桐谷君」
わたしの顔を見て、バツが悪そうな顔をする桐谷君。
「……悪かったな。言い過ぎた。」
「え?」

