それで、テストが終わってその人に返そうとしたら、
『いい。』
『え?』
『……入学式に、返してくれれば、いい。』
その時見せた笑顔が、眩しくて。
また、見たいって思った。
無事合格して、真っ先にあの人を探したんだ。
でも……
あの人は、あの時みたいに、笑ってなくて。
気になって。気になって。
それで、あ。好きなんだなぁ。って、思ったんだ。
―――「うわぁー……」
梓はニヤニヤしながら、わたしを見る。
「えへへ」
「桐谷、愛されてんな〜!」
「しいっ!声おっきいよ。」
さすがに道の途中で叫ばれると、恥ずかしい。
「えー?有名だよ?あの梅川華子が、桐谷蓮にコクったって。」
“あの”?
「わたしって、みんなからしたらどんな存在なんだろう?」
「そりゃあー…」
そりゃあ?

