わたしが見に行くと、集中できないから?
邪魔になるから?
なにを考えても、マイナス思考になる。
「待てよ!」
後ろから桐谷君の声。
いや、こんな顔見られたくない。
涙でぐちゃぐちゃの顔。
「待てって!」
当然足の速さは勝てるわけなくて、すぐに追いつかれる。
「こっち向けよ」
「やだっ!」
「向けって」
「やだよっ!」
廊下のど真ん中で言い合いをする。
「……来いっ」
強引に腕を引っ張られる。
わたしは俯きながら引っ張られる。
着いたのはいつもの屋上。
「……顔、上げろよ?」
「やだ…」
多分目が腫れて、とんでもない顔になってるはず。
「……じゃあ、そのままでいいから聞いてくれ。」
桐谷君が話し出す。
「なんで来ちゃダメかは、お前がいると…その…」
黙って聞く。
「き、緊張すんだろ。」
「へ?」
なぁんだ。
わたしのことが邪魔とかじゃないんだ。
「それに…」
ギュッとわたしを抱き締める。
「他のやつに、あんま見られたくないから」
……桐谷君、顔が赤いよ。
きっとわたしも赤いけど…

