「揺らすなっ」
……え?
桐谷君を見ると、目を瞑り下を向いて、手をグーにして座っている。
「もしかして…高所恐怖症?」
「…観覧車恐怖症だ。小さい頃、観覧車に乗ってたら緊急事態が発生して……」
思い出したのか、ぶるっと震える桐谷君。
わたしは桐谷君の横に座り、そっと抱き締める。
「大丈夫。わたしが隣にいるよ。」
苦手なのを我慢して、乗ってくれた。
それだけで胸がいっぱい。
「……華子」
「ん?」
お互いくっついたままでいると、耳元から呟く声が。
「大好きだ。」
あまりそういう台詞を言わない桐谷君。
「わたしも…大好き。」
頂上でキスはしなかったけど、頂上で好きだと言い合った……

