「あ、桐谷君っ」
目が泳ぐ。
挙動不審に見えるかなあ……
「どうかしたか?」
優しい口調で、目線をわたしに合わせてくれた。
「あ…。あの、クリスマス―」
「蓮、行こーぜっ」
「先行ってろ」
バスケ部の男子が大きな声で叫んで、言葉を遮られてしまった。
「で?続きは?」
なんだか改まっていう自分が恥ずかしくなった。
「な、なんでもないっ。バイバイって言いに来ただけ」
「そーか?……じゃあな」
パタパタと走る。
あー…ダメだわたし。
教室に戻ると、莉奈の姿がなかった。
ケータイを開くと、
『今日、翼と帰るね。
ごめんっ!また明日っ』
……莉奈と翼。
想像しただけで顔が赤くなる。

